お客様からよく尋ねられる質問です。

私は「充填断熱も外張断熱も一つの断熱の施工方法で優劣はつけられません」と答えます。

 

以前、大手ハウスメーカーの外断熱でない家は時代遅れかのようなCMを見たとき、非常に疑問を感じました。

では実際、充填断熱は時代遅れな工法なんでしょうか?

 

よく比較される壁の断熱において考えてみます。

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外張断熱は土台、柱、梁、間柱などの外側を断熱材ですき間無く包み込む工法です。
連続して切れ目なく断熱材が取り付けられます。断熱材の厚さは外壁の重量やサッシのおさまりから考えて50mm程度まで。

 

一方、充填断熱は、土台、柱、梁、間柱などを除く空間に断熱材を充填する工法のため、当然木材の部分では断熱材が充填できません。この部分が 熱橋(熱を伝えやすい状態) となり熱損失が大きくなるという欠点があります。この割合は外壁の面積の約20%を占めます。(ただし木材の断熱性能はゼロではなくグラスウール(10K)の1/2程度はあります。そのため実際の熱橋は全体の15%程になります。) もちろんこの木部の熱橋で結露の発生はありません。 断熱材の厚さは柱の太さにも因りますが100mm程度可能。

 

このように書くと外張断熱の方が断然優れているように感じてしまいます。

しかし、単純に考えると、この木部の熱橋を補う工夫をすればこの欠点は補われます。

では、「木部の熱橋を補う工夫をする」 とはどのようにすればよいのか?

断熱材の性能を表す数値 R値 を用いて

        使用する断熱材の種類や厚さを選択すればよいのです。

 

熱抵抗値R (㎡k/w )=断熱材の厚さ(mm)÷1000÷断熱材の熱伝導率(W/mK)

                              で簡単に計算できます。 

断熱材の断熱性能を評価するのに一番分かり易い数値として”熱抵抗値 R値”があります。

値が大きいほど熱が逃げにくい、優れた断熱材と言えます。また厚みが増せばその値も大きくなります。

各断熱材の性能がR値によって示されていますから、これを利用して家の断熱性能を判断することができます。

 

 

充填断熱の欠点、木部の熱橋を補うには

              熱抵抗値 R値を大きくすれば良い訳です。 

高性能な断熱材(熱伝導率が小さい)を厚く使用すればおのずとR値は大きくなり充填断

熱の欠点である木部の熱橋を補う事ができるのです。

充填断熱では外張断熱の約倍、100mm程度まで断熱材の厚さがとれますのでここを活用します。

 

 

断熱材の熱抵抗(R値)表
 各断熱材厚さ100mmにおける熱抵抗R(㎡k/w )

 

断熱材  

R値 

 

断熱材

R値

10Kグラスウール  

2.0

  硬質ウレタンフォーム1種    4.16
16Kグラスウール   2.22    高性能発泡フェノール   4.76 
24Kグラスウール    2.63    10Kパーフェクトバリア 2.22 
16K高性能グラスウール   2.63    16Kパーフェクトバリア 2.63 
24K高性能グラスウール   2.78    現場発泡硬質ウレタン  3.03 
押出法ポリスチレンフォーム1種 2.50    材 杉・桧 0.86 
押出法ポリスチレンフォーム2種 2.94    コンクリート  0.063
押出法ポリスチレンフォーム3種 3.57    ALC 0.57 

次世代省エネルギー断熱基準における壁の断熱材R値(Ⅳ地域 関西圏)   

住宅の種類  断熱の施工法  部位  R値 
木造住宅 充填断熱 2.2
木造住宅  外張断熱  1.7

 

上の図より、次世代省エネルギー基準において、充填断熱のR値2.2と外張断熱のR値1.7は同等であると見ることができます。 (充填断熱の熱橋部の熱損失がR値0.5の差)

このことを実際の施工におきかえてみると、充填断熱材で現場発泡硬質ウレタン厚さ75mmを施工(私がよく使う断熱材)することと外張断熱で押出法ポリスチレンフォーム3種厚さ50mmを施工することは、断熱性能で同等であるということになります。

 

外張断熱でも充填断熱でもR値というものさしで判断すれば

                        性能の優劣はありません。

充填断熱は決して時代遅れの工法ではありません。 

 

 

一方、外張断熱は施工の面で一つ気にかかる事があります。それは...

外張断熱では構造体の外側に耐力のない発泡系の断熱材を貼り付け、そのまた外側に重たい外壁材が取り付きます。住宅は日々揺れが繰り返され、構造木材の乾燥による収縮や発泡断熱材の劣化などによるビスの緩みや曲がりなどさまざまな力が加わっています。何時起こるかわからない大きな地震の際には、外壁材のズレや割れ、最悪の場合脱落の危険性を心配します。 

薄くて高性能(R値が大きい)な断熱材や、できるだけ軽い外壁材を採用するなど、材料選択には慎重な検討が必要です。コストやデザインにも大きく影響するところです。

 

当社では塗り壁・サイディング・タイル貼りなどどんな外壁でもしっかり固定できる充填断熱工法を採用しています。

 

どんな工法でも一長一短あります。それを理解した上、お客様がどこに重点を置くかで自分に合った工法を決めければ良いと思います。 独断的な宣伝文句に惑わされる事なく、適切にご判断下さい。

 

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